治療例集
💥ズキズキ、ズーン…くりかえす頭痛に疲れました|50代後半女性
🌀 来院のきっかけ
数年来、頭痛外来に通院していたが、MRIなどの検査では異常なし。
頭痛外来ですすめられて記録した、頭痛日記は何十ページにもわたるが、結局のところ、原因は全くわからない。
鎮痛薬でその場しのぎの対応を続けていたが、「このまま薬を飲み続けるはいやだ…」と思い、鍼灸治療にかけてみたいと来院。
📋 症状の詳細
10年以上前から、少なくとも1週間に1回程度の頭痛がおきている。
頭痛はこめかみ、おでこあたりから頭頂部あたりまで、ズーンと重い感じが左右どちらか、交互に出る。
ズーンがひどくなると、ズキズキガンガンと激しくなるため、氷で冷やすと3日目をピークにひいていく。
ひどい頭痛には鎮痛剤も効果がなく、ただ寝込むしか方法がないので困ってしまう...
🔍 東洋医学の見立て
持参した頭痛日記には、頭痛の症状のほかに季節・天候・その日の出来事などが細かく丁寧にかかれている。
几帳面で繊細、真面目な性格、完璧さを求めるようにみえるが、自身はずぼらでいいかげんなほうだと笑っていう。
自分に厳しく、他人には優しい性格の一面がうかがえる。
最終的な診断結果は、 肝気鬱結 + 心火亢盛(心肝火旺)+ 陰虚傾向
体質的に、肝の気が上昇しやすく、熱が頭部にこもる傾向にありました。
加えて、患者さんは非常に几帳面で、細部まで気を配る性格。
その繊細さがストレスや思考過多につながり、心にも熱を帯びやすく、心肝両方に“熱”がこもるタイプと考えられました。
このような状態では、感情や思考が過剰に働き、体の上部、特に頭部に熱が集中しやすくなります。
頭痛日記を几帳面に何十ページも記録し続けていたこと自体が、心身の緊張を強め、頭痛の慢性化に拍車をかけていたいかもしれませんね。
🪡 治療とアドバイス
鍼灸施術では、以下のような方針で適切なツボ一穴を選定して、毎回、鍼を行いました。
・精神的過緊張をほどき、全身の気の巡りをよくする(疎肝理気)
・心肝の熱、上焦に集まる熱を冷ます(清肝瀉火)
・陰分を補う(滋陰)
日常生活では、散歩を一日1回程度して身体を軽く動かすことをおすすめしました。
🌱 経過 ※治療回数には個人差があります
1か月経過:週に1回の治療で最近は頭痛の頻度が減ってきた、うれしい
2か月経過:頭痛が出ても激しくなることが減ってきた、寝込まなくてすむようになった
現在:3週間程度に1回のメンテナンス治療で安定した状態をキープ中
細かく丁寧に記録を続けていても、はっきりとした誘因が見つからない慢性頭痛。
これは「体質的な偏り」や「内的ストレスによる気の滞り」が根本にあるサインかも。
東洋医学ではその人自身の体と心のバランスを見つめ、症状ではなく“人”を診るアプローチで改善へと導きます。
几帳面でまじめな方ほど、知らず知らずに自分を追い込んでしまっていることも少なくありません。
頭痛と上手につき合いながら、自分自身の気持ちもやさしく整えていく治療を目指しています。
原因不明の頭痛でお悩みの方、鍼灸を試してみてはいかがですか。
慢性頭痛でお悩みの方は、
『【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】 慢性頭痛、鍼灸治療で見つかる答え』
もぜひ一度お読みください。
#慢性頭痛 #頭痛 #東洋医学 #鍼灸治療 #あやかざり
🗣咽がひりひりイガイガ…でも風邪じゃない|50代前半女性
🌀 来院のきっかけ
「なんとなく喉が痛いのが続いていて。でも風邪じゃないと思うんです...」
喉の奥にヒリヒリとした感覚。市販の風邪薬は試したが効かず、かといって体は元気そのもの。風邪っぽくない。
思い当たるのは、大事な会議で、準備から当日までこのところ忙しく、冷房の下でのパソコン作業を長時間にわたり続けていた。
「風邪じゃなくて、もしかしたら自律神経のバランスや疲れが関係しているのかも…」と相談にこられた。
📋 主な訴え
・喉のひりつきと乾燥感(熱や咳、倦怠感はなし)
🔍 東洋医学の見立て
このケースでは、肝の気が上半身にのぼって熱化している状態が背景にあると考えました
長時間のPC作業で目を酷使 → ストレスや緊張状態が続いて肝気鬱結 → 肝火化熱
のぼった熱が肺や咽喉に波及して、乾燥感やひりつきとして現れている
いわば、「内からの風邪のような症状」になっている
🪡治療とアドバイス
鍼灸施術では、以下のような方針で適切なツボ一穴を選定して鍼を行いました。
・肝の気の巡りを整えるツボ(疏肝理気)
・肺を潤し咽喉の不調を整えるツボ
🌱 経過 ※治療回数には個人差があります
初回の施術後:喉の違和感が和らいで、呼吸が楽になった
施術後はすぐに変化がみられ、その後は喉のひりつきも数日でおさまり、風邪のような症状に発展せずに回復した
このように、「風邪でもないのに喉だけおかしい」ーーそれは、目の酷使やPC疲れ、ストレスが関係しているかもしれません。
東洋医学では、肝と肺、目と喉の関係を大切に考えます。
熱や痛みを内服薬で抑えるだけでなく、内側のバランスを整えることで、こうした未病のサインを根本からケアできます。
なかなか症状が治まらずお困りの方、ぜひ、鍼灸を一度おためしください。
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🍟こってり揚げ物を食べるとお腹がピーピー!|20代後半女性
🌀 来院のきっかけ
「外食でこってりしたものを食べると、その後、急にお腹が痛くなってトイレに駆け込むことが多くて…」
数年前から、食後に急な腹痛と下痢を繰り返すようになり、最近は冷や汗が出るほどの強い症状になることも。
とくに外食後に悪化しやすく、不安を抱えながら食事をしている状態で相談をしに来院をされました。
📋 主な訴え
・食事をしてしばらくしてほっとしたタイミングに突然の腹痛と下痢
・症状が出ると、冷や汗をかき、動けないほどになることもある
・外食や脂っこい料理が引き金になる
・時に腹痛のみで下痢を伴わないこともある
・精神的な負荷がかかった後に悪化しやすい
🔍 東洋医学の見立て
『脾虚を背景とした肝脾不和(肝気犯脾)』
この方は、食べすぎ・早食い・脂っこいものの摂りすぎなどによって胃腸を弱らせてきた経緯があり、軽い「脾虚」という状態にありました。
そこに加えて、職場での精神的ストレスや緊張が続いたことで、肝の気が乱れ脾を攻める「肝脾不和」という状態がおこるようになりました。
この二つが重なることで、食後に脘腹(みぞおちやお腹)が激しく痛み、下利(下痢)を引き起こすようになったと考えられます。
🪡治療とアドバイス
鍼灸施術では、以下のような方針で適切なツボ一穴を選定して鍼を行いました。
・脾胃の働きを助ける(健脾去湿)
・肝の気の巡りを整える(疏肝理気)
あぶらっこいものはできるだけひかえ、体調の良さそうな日に自宅で料理して少量食べるようにおすすめしました。
また、下痢をした翌日はあぶらっこいものは避けて、お腹にやさしい食べ物をとるようにしてもらいました。
🌱 経過 ※治療回数には個人差があります
初回の施術後:腹痛の程度が軽くなり、冷や汗を伴うことが減少してきた
3回目:下痢の頻度が減少した気がする
2か月経過:週1回の治療を継続し、外食後に症状が出ても、軽い腹痛だけで済むようになってきた
3か月経過: 治療を月2回ほどで継続。食事内容やタイミング、日常のストレスとの向き合い方についてもアドバイスをする。
現在:「外食をそれほど怖がらずに楽しめるようになった」とおっしゃっています。
このように、検査では「異常なし」とされる胃腸症状でも、東洋医学では体質やストレスの影響を丁寧にひもといてアプローチします。
特にこの方のように、『脾虚というベースがある』・『精神的ストレスが誘因になる』・『油っこいもの・外食が悪化要因になる』
といった背景が重なることで、「肝脾不和」の症状は繰り返されやすくなります。
日々の食事やストレスとの付き合い方を見直しながら、体質の根本改善をめざしていくことが大切です。
腹痛下痢でお悩みの方は、『note【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】腹痛下痢と東洋医学』もお読みください。
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🌬️ しつこい咳と透明な痰がずっと気になる|40代女性
🌀 来院のきっかけ
「冷房にあたると、いつも咳が出てしまうんです…」
梅雨明けごろから咳が出始め、のどに絡むような痰と痰が続いて来院。
とくに在宅勤務でエアコンを長時間使っているときに悪化しやすい。
胃腸は強くなく、辛いものや食べすぎで下痢しやすいとのこと。
📋 その他の症状
・のどに絡む咳(風邪ではない)
・透明でやや粘り気のある痰
・お腹が張りやすく胃が重い
・気分がイライラしやすい
🔍 東洋医学の見立て
「脾虚湿盛」…体の水分のめぐりが悪くなり、痰がつくられる
「肝気犯肺」…イライラなどで気の流れが乱れ、咳が出やすくなる
「風寒束表」…冷房の風や寒さで肺の働きが弱まり、咳がひどくなる
これらが重なって、痰が絡むしつこい咳が続くようになってしまいました。
🪡 治療とアドバイス
気の停滞を取り除き、湿邪を体外に排出させやすくするツボに鍼
身体に入った冷えを除き、肺の機能を助けて、痰をさばくツボにお灸
日常生活では、冷房の風が直接当たらないようにし、涼しい時間に散歩する
胃腸をいたわり、入浴で身体を内側から温めることをおすすめしました。
🌱 経過 ※治療回数には個人差があります
初回の施術後:咳が減り、痰も少なくなったが数日で症状が戻った
2回目:咳と痰が気にならない日が増えてきた
5回目:ほぼ症状がなくなった
夏の咳や痰は、冷えやストレス、胃腸の弱りが重なることで起きることがあります。
「風邪じゃないのに咳が続く」「エアコンがつらい」
そんな方は、体のバランスを整える鍼灸をお試しください。
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🌞 夏の暑さにやられて体がだるい|30代女性
🌀 来院のきっかけ
「ここ最近、ずっと疲れが抜けないんです…」
7月に入り、猛暑のなか通勤で大量の汗をかく日々。
熱中症予防にと、冷たい飲み物をよく飲んでいたところ、次第に食欲がなくなり、体の疲れも取れなくなって来院されました。
📋 その他の症状
・頭がぼーっとする
・全身が重くだるい
・朝起きても疲れが取れない
・食欲不振・胃もたれ
🔍 東洋医学の見立て
「脾気虚(ひききょ)」+「暑邪傷気津液」の状態。
暑さ(暑邪)でたくさん汗をかくと「気(エネルギー)」や「津液(水分)」が消耗されます。
さらに冷たい飲み物の取りすぎで胃腸のはたらきが落ち、「気をつくる力」も低下。
その結果、体全体がだるくなり、疲れやすくなってしまっていました。
🪡治療とアドバイス
胃腸のはたらきを高め、気と津液を補うツボ
身体にこもった熱を冷ますツボ
を選び、鍼をしました。
自宅では、冷たい飲み物を控え、温かいスープやおかゆなど、胃腸にやさしい食事をおすすめしました。
🌱 経過 ※治療回数には個人差があります
初回の施術後:身体のだるさがずいぶんとれた
3回目:お腹がすくようになった!と変化を実感
以降:予防と体調管理を兼ねて定期的に来院中
夏バテによる気虚は、早めのケアが大切です。
「体が重い」「食欲がない」「いつも疲れてる」――そんな時こそ、鍼灸治療の出番かもしれません。
身体のだるさでお悩みの方は、『note【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】夏バテと東洋医学』もお読みください。
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