治療例集

2025-09-02 07:44:00

💤 夜になると脚がムズムズ、眠れない…|35歳女性・会社員

🌀 来院のきっかけ

ここ1年ほど、夜になると脚がじんじん・ムズムズして落ち着かず眠れない。内科で睡眠薬を処方されたが改善せず、疲労がたまり、仕事にも支障が出てきた。

その後病院を点々として、ドパミン薬を処方された後はやや改善しているが、根本的に治したいと思い、鍼灸での治療を試してみたいと来院。

📋 症状の詳細

・横になると両脚がムズムズして動かしたくなる

・足を強くふとんにたたきつけて動かすと一時的に楽になるが、しばらくすると再発する

・食後にお腹が張りやすく、軟便ぎみ

・顔色はややくすみ、爪は淡色

・舌は淡紅でやや胖大、苔は厚く白、脈は細滑

🔍 東洋医学の見立て

『脾虚血虚+痰湿阻絡(虚実錯雑)』

 もともと胃腸が弱く、残業や不規則な食生活によって脾が弱り(脾虚)、血の生成が不足。結果として 血虚 により脚が滋養されず、さらに脾の運化機能低下で 痰湿 が生じ、下肢の経絡を阻んでいる。

🪡 治療とアドバイス

鍼灸施術では以下を方針とした:

健脾益気:脾を補い、気血の源を養う

補血養肝:不足した血を補い、脚に栄養を届ける

化痰除湿:停滞した湿を取り除く

通絡止痙:経絡の通りを良くし、不快感を和らげる

 日常生活では、夜更かしを避け、冷たい飲食を控え、軽めの運動を取り入れるようアドバイス。

🌱 経過 ※治療回数には個人差があります

1か月経過:夜のムズムズ感が軽くなり、眠りにつきやすくなった

2か月経過:便通が整うようになり、下痢・軟便が改善、日中のだるさも減った

3か月経過:発作的なムズムズはほとんど消失。現在は月1回程度のメンテナンス治療で安定

 

細かく検査しても原因がはっきりしないむずむず脚症候群。

この治療例では、「不足」と「余分」の両面が絡み合う 虚実錯雑 と捉えることで、根本からの改善を目指しました。

夜眠れない辛さで悩んでいる方は、一度鍼灸で体質から整えてみてはいかがでしょうか。

 

むずむず脚症候群でお悩みの方は、

【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】むずむず脚症候群(RLS)と鍼灸

もぜひ一度お読みください。 

 

#むずむず脚症候群 #下肢静止不能症候群 #RLS #神経系#不眠 #東洋医学 #鍼灸治療 #あやかざり

2025-08-26 21:13:00

💆‍♀️ 肩こりで好きなことを半ばあきらめ...|60代女性

🌀 来院のきっかけ

 「趣味であり仕事でもある手芸をすると、右首から肩がすごくこってしまいます。肩の部分をもみほぐしたくなるのですが、筋張っている感じで“つまむ”ようにしています。それをやっても一時的ですぐにまたこりが戻ってしまい。手芸はこれからも続けていきたいのに、そろそろ潮時かな…本当に困っています」

長年手芸に携わってきたが、この数年で肩こりが強くなり、眼精疲労や集中力の低下も出てきた。どうしても好きなことを続けたくなんとかしたいと来院。

📋 主な症状

・右首から肩のこりと張り

・筋ばって、硬くなっている感じ

・マッサージしてもすぐに戻る

・眼精疲労 手芸をすると悪化

・爪が割れやすい 最近ひどい

・めまい感や立ちくらみ 手芸で手元から目線をはずした時

・教室をやりながら家事もしてと気ぜわしさ

・ため息が多い

🔍 東洋医学の見立て

『肝血虚証』

原因① 気ぜわしい生活による肝鬱気滞 → 肝の疏泄作用が滞り、気血の巡りが悪化

原因② 加齢による腎精不足 → 肝血の源である腎精が不足し、血を十分に生み出せない

 結果として、肝血不足が生じ、筋肉や目に滋養が行き届かず、肩こり・眼精疲労・爪の脆弱などが現れている。

🎯 治療方針

肝血を補い、筋を滋養する

腎精を養う

気の巡りを調え、肝鬱を解く

上記に働くツボを、全身の状態により1~2つ選び、毎回、鍼をしました。

📈 治療経過(抜粋)※治療回数には個人差があります

初診(1回目):

施術後、首から肩にかけて楽になった感じ。視界がはっきりした。

2回目(1週間後):

肩の張りが半分程度に軽減。普段の眼精疲労やため息が減少。

4回目(3週間後):

手芸をしても肩こりの戻りが少なくなり、疲労感が改善。爪が割れにくくなる。

5回目以降:

肩こりは軽度になる。施術間隔を1か月に1、2回へ。

鍼を続けていくことで肩こりがよくなり、好きな手芸の仕事はこれからも続けることができそうととてもうれしそう。

🌿 生活指導

適度な休息をとりながら手芸をすることと、夜は早めに就寝する

黒ゴマ、黒豆を食生活に取り入れる

 

マッサージをしても改善しない肩こりは、もしかすると「血の不足」が原因かもしれません。

一度、東洋医学の視点から鍼灸での肩こりのケアを試してみてはいかがでしょうか?

なお、肩こりについての東洋医学的な解説については、『note【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】肩こりと鍼灸』もお読みください。 

 

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2025-08-26 20:19:00

😣 夜間尿、デリケートゾーンがヒリヒリする…|50代後半女性

🌀 来院のきっかけ

「ここ数年、トイレが近くて夜中に何度も起きてしまいます。尿が白く濁ることもあります。

さらにデリケートゾーンが乾燥して、かゆみやヒリヒリ感がつらいです。塗り薬を使っても改善は一時的で、すぐにぶり返してしまいます。閉経後から特に強くなりました。

 

恥ずかしさもありましたが、女性の先生なら安心できると思って来ました。」

 🔍 東洋医学の見立て

「腎陰虚」 → 更年期以降、腎の陰分が不足して体を潤す力が低下。虚熱が内生し、膀胱や陰部に影響して頻尿や乾燥感・かゆみとして現れる。

・加齢・閉経 → 腎陰虚

・陰虚 → 虚熱が生じやすい

・虚熱と潤い不足 → デリケートゾーン乾燥+かゆみ、頻尿、白濁尿

皮膚は乾燥しやすく、顔、手足にはほてり。舌質は紅少苔、脈は細数。眠りが浅く、のぼせ・寝汗もみられる。

 

🎯 治療方針

・腎陰を養い、虚熱を鎮める

・下焦を潤し、乾燥によるかゆみを改善

・膀胱機能を安定させ、頻尿を軽減

📈 治療経過 ※治療回数には個人差があります

2回目:デリケートゾーンの乾燥感がやや軽減、眠りが深くなる

3回目:夜間頻尿が減り、かゆみが和らぐ

4回目以降:陰分が補われ、体全体の乾燥やほてりも改善。再発予防を目的に治療継続中

 

💡 頻尿やかゆみは「湿熱」だけでなく、更年期以降の「陰分不足」が背景にあることもあります。

 

鍼灸では、その方の体質やライフステージに合わせて、陰陽のバランスを整えながら、不快な症状の改善をめざします。

一度、東洋医学の視点からお身体のケアを試してみてはいかがでしょうか?

なお、頻尿についての東洋医学的な解説については、『note【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】頻尿と鍼灸』もお読みください。 

 

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2025-08-24 09:05:00

🍽️ 好きなものが食べられない...高FODMAP不耐症|40代後半女性

🌀 来院のきっかけ

「パンや麺類、豆類、玉ねぎ、納豆などを食べるとお腹が張って下してしまい、好きな食べ物を避けざるを得ません。外食も不安で友達付き合いも減ってしまい…」

数年前から特定の食品で下痢・腹部膨満が起きやすくなりなり、複数の病院にいき「遅延型アレルギーかもしれない」「過敏性腸症候群(IBS)の可能性」などと診断された。

医師からは「高FODMAP食品を控えるように」と指導を受けたが、食事制限のストレスで気分も落ち込みがちに。

好きなものをもう一度自由に食べたいと願い、体質改善を希望して鍼灸を試してみたいと来院。

📋 主な症状

・臭いの強い下痢(特に高FODMAP食品摂取後)

・腹部膨満、食後のもたれ

・臭いの強いガスが多い

・倦怠感、なんとなくやる気が出ない

🔍 東洋医学の見立て

『食滞』『肝鬱脾湿』

食滞:消化しきれない食物が停滞し、腹部膨満・下痢・ガスを引き起こす。

肝鬱脾湿:ストレスで肝の疏泄作用が低下し、気機が滞って脾の働きを妨げ、湿が停滞している状態。

その結果、「下痢・膨満感・倦怠感・気分の不安定」が繰り返されていた。

🎯 治療方針

・食滞を除き、胃腸の運化を助ける

・肝気を疏泄し、脾の働きを回復させる

・湿をさばき、下痢を防ぐ

上記の目的にあうツボを全身の状態から選び、毎回1~2つのツボに対して鍼をしました。

📈 治療経過 ※治療回数には個人差があります

初診時~8回目(週に2回のペース):

腹のはり、腹痛、下痢の症状について変化は感じられないが、少し気分が明るく前向きになって来たような気がする。

16回目(2か月経過後):

変化:下痢の回数が減ってきた、腹痛の程度も軽くなってきた。

少しきざしが見えてきたかもとうれしそうな表情。

24回目(3か月経過後):

変化:これまでだめだった玉ねぎが入っていても少量なら大丈夫になった。腹痛はするが下痢にはなりにくくなった。

回数を週1回に減らし、自由に外食ができる日を夢見て、以後も治療を継続中。

生活上のアドバイス:

・食事は腹八分目を意識する

・高FODMAP食品は少量から様子を見ながら摂取

・ストレスを溜めないよう軽い運動(散歩)をする

 

🌿 胃腸と心のバランスが整うと、食事の楽しみを取り戻せます。高FODMAPに敏感なお腹や食滞でお悩みの方は、一度鍼灸を試してみてはいかがですか。

 

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2025-08-20 08:08:00

😣 「昨日は足、今日は胸…」痛みがあちこちに現れる|40代女性

🌀 来院のきっかけ

「痛む場所があっちこっち変わるんです。夜も眠りが浅く、気持ちが落ち着かなくて、動悸がして…」

40代女性・主婦の方。

肩・腰・背中・足など、日替わりで痛みが現れて、整形外科で「軽度の線維筋痛症」と診断されました。

家事は問題なくこなせるものの、診断を受けたことに対する不安感がとても強く、鍼灸でなんとかならないかと相談に来られました。

📋主な症状

痛み:肩・胸・背中・腰・手足など全身あちらこちらが日替わり(遊走性)に痛む

痛みの種類:キリキリ、チクチクがもっとも多い。ズーンとした重いような痛み、張った痛みもある

痛みの時間帯:朝、夜が多く、日中家事をしている時は気にならない

睡眠:浅く、夢が多い

気分:イライラしやすく、不安感、焦り感がある、パニック症候群があり、閉鎖空間では、冷や汗や息苦しさや動悸が出る

動悸:不安感が強い時に出ることあり

食事:食欲は普通だが、アレルギーがある

排便:軟便

舌の状態:白膩苔、中央に裂紋、やや淡白ぎみ、舌先紅、乾燥

🔍 東洋医学の見立て

虚実錯雑(虚=肝血不足・脾虚、実=気鬱化火)の状態にあります。

 『肝鬱気滞 → 気鬱化火』

日頃からイライラ・せかせかする傾向があり、肝気が停滞して熱化。痛みや不安感、眠りの浅さにつながっています。

『肝血虚』

気鬱化火が続くことで血が消耗され、肝血が不足して肩こりや手足のこわばり、眠りの浅さなどが出やすくなっています。

『脾虚・気血不足』

舌の淡白さや裂紋、軟便、食後のピリピリ感は胃腸の消化吸収力や体の血・気の不足を示唆する。

💡 患者さんへの説明

普段からイライラ・せかせかする傾向で、気の滞りから熱化し、血が消耗されて肩こりや手足のこわばり、眠りの浅さにつながっています。

さらに胃腸の弱りから身体の営養が不足した状態となり、体のバランスが崩れている状態です。

 🪡 治療とアドバイス

・肝気の流れをスムーズにして、体内に滞った余分な熱を冷ます

・肝血を補い、血虚により生じるこわばりや不眠を改善

・胃腸の働きをたかめて、気血を増やすことで体力と消化機能を回復

上記に働くツボを、全身の状態により1~2つ選び、毎回、鍼をしました。

🌱 経過(治療回数には個人差があります)

初回:「施術後は気持ちが落ち着いた」と感想あり

4回目:夜中の覚醒が減り、イライラ感が軽減

8回目:遊走性の痛みは残るが、強さが和らぎ、不安感も少なくなる

維持期:月8回程度の施術を継続することで心身ともに安定した状態をキープしている

 

鍼灸では、原因不明の身体の痛み、胃腸の不調だけでなく、心の不安定さや睡眠の浅さも整えることができます。

その日の体調や症状に合わせたオーダーメイド治療で、体も心も落ち着きやすくなるのが特徴です。

 

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