治療例集
🍟こってり揚げ物を食べるとお腹がピーピー!|20代後半女性
🌀 来院のきっかけ
「外食でこってりしたものを食べると、その後、急にお腹が痛くなってトイレに駆け込むことが多くて…」
数年前から、食後に急な腹痛と下痢を繰り返すようになり、最近は冷や汗が出るほどの強い症状になることも。
とくに外食後に悪化しやすく、不安を抱えながら食事をしている状態で相談をしに来院をされました。
📋 主な訴え
・食事をしてしばらくしてほっとしたタイミングに突然の腹痛と下痢
・症状が出ると、冷や汗をかき、動けないほどになることもある
・外食や脂っこい料理が引き金になる
・時に腹痛のみで下痢を伴わないこともある
・精神的な負荷がかかった後に悪化しやすい
🔍 東洋医学の見立て
『脾虚を背景とした肝脾不和(肝気犯脾)』
この方は、食べすぎ・早食い・脂っこいものの摂りすぎなどによって胃腸を弱らせてきた経緯があり、軽い「脾虚」という状態にありました。
そこに加えて、職場での精神的ストレスや緊張が続いたことで、肝の気が乱れ脾を攻める「肝脾不和」という状態がおこるようになりました。
この二つが重なることで、食後に脘腹(みぞおちやお腹)が激しく痛み、下利(下痢)を引き起こすようになったと考えられます。
🪡治療とアドバイス
鍼灸施術では、以下のような方針で適切なツボ一穴を選定して鍼を行いました。
・脾胃の働きを助ける(健脾去湿)
・肝の気の巡りを整える(疏肝理気)
あぶらっこいものはできるだけひかえ、体調の良さそうな日に自宅で料理して少量食べるようにおすすめしました。
また、下痢をした翌日はあぶらっこいものは避けて、お腹にやさしい食べ物をとるようにしてもらいました。
🌱 経過 ※治療回数には個人差があります
初回の施術後:腹痛の程度が軽くなり、冷や汗を伴うことが減少してきた
3回目:下痢の頻度が減少した気がする
2か月経過:週1回の治療を継続し、外食後に症状が出ても、軽い腹痛だけで済むようになってきた
3か月経過: 治療を月2回ほどで継続。食事内容やタイミング、日常のストレスとの向き合い方についてもアドバイスをする。
現在:「外食をそれほど怖がらずに楽しめるようになった」とおっしゃっています。
このように、検査では「異常なし」とされる胃腸症状でも、東洋医学では体質やストレスの影響を丁寧にひもといてアプローチします。
特にこの方のように、『脾虚というベースがある』・『精神的ストレスが誘因になる』・『油っこいもの・外食が悪化要因になる』
といった背景が重なることで、「肝脾不和」の症状は繰り返されやすくなります。
日々の食事やストレスとの付き合い方を見直しながら、体質の根本改善をめざしていくことが大切です。
腹痛下痢でお悩みの方は、『note【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】腹痛下痢と東洋医学』もお読みください。
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🌬️ しつこい咳と透明な痰がずっと気になる|40代女性
🌀 来院のきっかけ
「冷房にあたると、いつも咳が出てしまうんです…」
梅雨明けごろから咳が出始め、のどに絡むような痰と痰が続いて来院。
とくに在宅勤務でエアコンを長時間使っているときに悪化しやすい。
胃腸は強くなく、辛いものや食べすぎで下痢しやすいとのこと。
📋 その他の症状
・のどに絡む咳(風邪ではない)
・透明でやや粘り気のある痰
・お腹が張りやすく胃が重い
・気分がイライラしやすい
🔍 東洋医学の見立て
「脾虚湿盛」…体の水分のめぐりが悪くなり、痰がつくられる
「肝気犯肺」…イライラなどで気の流れが乱れ、咳が出やすくなる
「風寒束表」…冷房の風や寒さで肺の働きが弱まり、咳がひどくなる
これらが重なって、痰が絡むしつこい咳が続くようになってしまいました。
🪡 治療とアドバイス
気の停滞を取り除き、湿邪を体外に排出させやすくするツボに鍼
身体に入った冷えを除き、肺の機能を助けて、痰をさばくツボにお灸
日常生活では、冷房の風が直接当たらないようにし、涼しい時間に散歩する
胃腸をいたわり、入浴で身体を内側から温めることをおすすめしました。
🌱 経過 ※治療回数には個人差があります
初回の施術後:咳が減り、痰も少なくなったが数日で症状が戻った
2回目:咳と痰が気にならない日が増えてきた
5回目:ほぼ症状がなくなった
夏の咳や痰は、冷えやストレス、胃腸の弱りが重なることで起きることがあります。
「風邪じゃないのに咳が続く」「エアコンがつらい」
そんな方は、体のバランスを整える鍼灸をお試しください。
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🌞 夏の暑さにやられて体がだるい|30代女性
🌀 来院のきっかけ
「ここ最近、ずっと疲れが抜けないんです…」
7月に入り、猛暑のなか通勤で大量の汗をかく日々。
熱中症予防にと、冷たい飲み物をよく飲んでいたところ、次第に食欲がなくなり、体の疲れも取れなくなって来院されました。
📋 その他の症状
・頭がぼーっとする
・全身が重くだるい
・朝起きても疲れが取れない
・食欲不振・胃もたれ
🔍 東洋医学の見立て
「脾気虚(ひききょ)」+「暑邪傷気津液」の状態。
暑さ(暑邪)でたくさん汗をかくと「気(エネルギー)」や「津液(水分)」が消耗されます。
さらに冷たい飲み物の取りすぎで胃腸のはたらきが落ち、「気をつくる力」も低下。
その結果、体全体がだるくなり、疲れやすくなってしまっていました。
🪡治療とアドバイス
胃腸のはたらきを高め、気と津液を補うツボ
身体にこもった熱を冷ますツボ
を選び、鍼をしました。
自宅では、冷たい飲み物を控え、温かいスープやおかゆなど、胃腸にやさしい食事をおすすめしました。
🌱 経過 ※治療回数には個人差があります
初回の施術後:身体のだるさがずいぶんとれた
3回目:お腹がすくようになった!と変化を実感
以降:予防と体調管理を兼ねて定期的に来院中
夏バテによる気虚は、早めのケアが大切です。
「体が重い」「食欲がない」「いつも疲れてる」――そんな時こそ、鍼灸治療の出番かもしれません。
身体のだるさでお悩みの方は、『note【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】夏バテと東洋医学』もお読みください。
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