治療例集
🍽️ 好きなものが食べられない...高FODMAP不耐症|40代後半女性
🌀 来院のきっかけ
「パンや麺類、豆類、玉ねぎ、納豆などを食べるとお腹が張って下してしまい、好きな食べ物を避けざるを得ません。外食も不安で友達付き合いも減ってしまい…」
数年前から特定の食品で下痢・腹部膨満が起きやすくなりなり、複数の病院にいき「遅延型アレルギーかもしれない」「過敏性腸症候群(IBS)の可能性」などと診断された。
医師からは「高FODMAP食品を控えるように」と指導を受けたが、食事制限のストレスで気分も落ち込みがちに。
好きなものをもう一度自由に食べたいと願い、体質改善を希望して鍼灸を試してみたいと来院。
📋 主な症状
・臭いの強い下痢(特に高FODMAP食品摂取後)
・腹部膨満、食後のもたれ
・臭いの強いガスが多い
・倦怠感、なんとなくやる気が出ない
🔍 東洋医学の見立て
『食滞』『肝鬱脾湿』
食滞:消化しきれない食物が停滞し、腹部膨満・下痢・ガスを引き起こす。
肝鬱脾湿:ストレスで肝の疏泄作用が低下し、気機が滞って脾の働きを妨げ、湿が停滞している状態。
その結果、「下痢・膨満感・倦怠感・気分の不安定」が繰り返されていた。
🎯 治療方針
・食滞を除き、胃腸の運化を助ける
・肝気を疏泄し、脾の働きを回復させる
・湿をさばき、下痢を防ぐ
上記の目的にあうツボを全身の状態から選び、毎回1~2つのツボに対して鍼をしました。
📈 治療経過 ※治療回数には個人差があります
初診時~8回目(週に2回のペース):
腹のはり、腹痛、下痢の症状について変化は感じられないが、少し気分が明るく前向きになって来たような気がする。
16回目(2か月経過後):
変化:下痢の回数が減ってきた、腹痛の程度も軽くなってきた。
少しきざしが見えてきたかもとうれしそうな表情。
24回目(3か月経過後):
変化:これまでだめだった玉ねぎが入っていても少量なら大丈夫になった。腹痛はするが下痢にはなりにくくなった。
回数を週1回に減らし、自由に外食ができる日を夢見て、以後も治療を継続中。
生活上のアドバイス:
・食事は腹八分目を意識する
・高FODMAP食品は少量から様子を見ながら摂取
・ストレスを溜めないよう軽い運動(散歩)をする
🌿 胃腸と心のバランスが整うと、食事の楽しみを取り戻せます。高FODMAPに敏感なお腹や食滞でお悩みの方は、一度鍼灸を試してみてはいかがですか。
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😣 「昨日は足、今日は胸…」痛みがあちこちに現れる|40代女性
🌀 来院のきっかけ
「痛む場所があっちこっち変わるんです。夜も眠りが浅く、気持ちが落ち着かなくて、動悸がして…」
40代女性・主婦の方。
肩・腰・背中・足など、日替わりで痛みが現れて、整形外科で「軽度の線維筋痛症」と診断されました。
家事は問題なくこなせるものの、診断を受けたことに対する不安感がとても強く、鍼灸でなんとかならないかと相談に来られました。
📋主な症状
痛み:肩・胸・背中・腰・手足など全身あちらこちらが日替わり(遊走性)に痛む
痛みの種類:キリキリ、チクチクがもっとも多い。ズーンとした重いような痛み、張った痛みもある
痛みの時間帯:朝、夜が多く、日中家事をしている時は気にならない
睡眠:浅く、夢が多い
気分:イライラしやすく、不安感、焦り感がある、パニック症候群があり、閉鎖空間では、冷や汗や息苦しさや動悸が出る
動悸:不安感が強い時に出ることあり
食事:食欲は普通だが、アレルギーがある
排便:軟便
舌の状態:白膩苔、中央に裂紋、やや淡白ぎみ、舌先紅、乾燥
🔍 東洋医学の見立て
虚実錯雑(虚=肝血不足・脾虚、実=気鬱化火)の状態にあります。
『肝鬱気滞 → 気鬱化火』
日頃からイライラ・せかせかする傾向があり、肝気が停滞して熱化。痛みや不安感、眠りの浅さにつながっています。
『肝血虚』
気鬱化火が続くことで血が消耗され、肝血が不足して肩こりや手足のこわばり、眠りの浅さなどが出やすくなっています。
『脾虚・気血不足』
舌の淡白さや裂紋、軟便、食後のピリピリ感は胃腸の消化吸収力や体の血・気の不足を示唆する。
💡 患者さんへの説明
普段からイライラ・せかせかする傾向で、気の滞りから熱化し、血が消耗されて肩こりや手足のこわばり、眠りの浅さにつながっています。
さらに胃腸の弱りから身体の営養が不足した状態となり、体のバランスが崩れている状態です。
🪡 治療とアドバイス
・肝気の流れをスムーズにして、体内に滞った余分な熱を冷ます
・肝血を補い、血虚により生じるこわばりや不眠を改善
・胃腸の働きをたかめて、気血を増やすことで体力と消化機能を回復
上記に働くツボを、全身の状態により1~2つ選び、毎回、鍼をしました。
🌱 経過(治療回数には個人差があります)
初回:「施術後は気持ちが落ち着いた」と感想あり
4回目:夜中の覚醒が減り、イライラ感が軽減
8回目:遊走性の痛みは残るが、強さが和らぎ、不安感も少なくなる
維持期:月8回程度の施術を継続することで心身ともに安定した状態をキープしている
鍼灸では、原因不明の身体の痛み、胃腸の不調だけでなく、心の不安定さや睡眠の浅さも整えることができます。
その日の体調や症状に合わせたオーダーメイド治療で、体も心も落ち着きやすくなるのが特徴です。
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😩朝からしんどくて、やる気も出ない...|30代前半女性
🌀 来院のきっかけ
「最近、体が重くて、動きたくないんです。特に朝起きるのがつらくて、頭もぼんやりしてどうもやる気が出ないんです。」
ここ数週間ずっと倦怠感が続いている。休日も家から出たくなくてゴロゴロとして過ごす。食欲はあるけれど、食事をしたらすぐ横になってしまう。
手足の冷え、下半身のむくみもあり。仕事が忙しく、職場の人間関係でも緊張状態が続いているとのこと。
🔍 東洋医学の見立て
・精神的ストレス → 肝気の巡りが悪くなり、陽気の発動を妨げる
・運動不足 → 気血の流れが低下
・冷房環境 → 体を温めるエネルギー(陽気)が外に出られずこもる
結果、体も心も「発動スイッチ」が入らない状態に。
🎯 治療方針
精神的ストレス過多、運動不足による余分な心身の緊張をほどき、陽気の巡りを良くする。
冷房による冷えを取り除き、陽気の巡りを良くする。
⇒陽気の内鬱を解き、やる気スイッチをONに。
上記に働くツボを、全身の状態により1つ選び、毎回、鍼をしました。
アドバイス:朝の深呼吸+軽めの体操、夜は湯船でリラックス、日記で気持ちを発散
📈 治療経過 ※治療回数には個人差があります
1回目:終わったあと体がじんわりと温まり、頭がすっきりとした感じ、身体が軽い。
3回目:朝の目覚めが良くなって、やる気のスイッチが入るようになった感じ。
5回目:倦怠感ほぼ消失、趣味や外出への意欲が出てきた。
「なんとなくだるい」「やる気が出ない」「ずっと重たい感じがする」…
そんなとき、実は“体のエネルギーがこもっている”サインかもしれません。
特に、
・冷房の効いた室内に長時間いる
・ストレスで緊張状態が続いている
・運動不足で体をあまり動かしていない
こんな条件がそろうと、体を動かすエネルギーがうまく外に出られず、だるさ・冷え・気分の低下につながります。
早めに体を温めて巡らせることで、スイッチが入りやすくなります。
「あれ、今日は動ける!」という感覚を取り戻すきっかけになりますよ。
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💤 なかなか眠れない、夜中に目が覚めてしまう|50代後半女性
🌀 来院のきっかけ
「ベッドに入ってもなかなか寝付けず、やっと眠れても夜中に何度も目が覚めてしまいます…」
半年ほど前から睡眠の質が低下。仕事と家事に追われて疲れているのに、夜になると頭が冴えてしまい眠れない。夢も多く、熟睡感がない状態が続いていた。
心配になりメンタルクリニックを受診し、軽い睡眠導入剤を処方されたが、服用しても眠りが浅いままで改善しなかったため鍼灸院に来院。
📋 主な症状
・入眠困難、中途覚醒、多夢
・動悸、胸苦しさ
・手足のほてり、寝汗
・午後〜夜間の顔のほてりと汗
・腰や膝のだるさ
・口渇
🔍 東洋医学の見立て
『心腎不交証』…心と腎の交通が失われた状態。
長期の疲労や加齢により、腎が弱って身体を潤す働きが低下し、相対的に心が亢進して暴れやすくなります。
この心が暴れやすくなった状態が不眠・動悸・熱症状を作り出します。
🎯 治療方針
腎陰を補って、心火を鎮め、心腎の交通を回復する。
・腎陰を補う
・心火を鎮める
上記に働くツボを、全身の状態により1~2つ選び、毎回、鍼をしました。
📈 治療経過 ※治療回数には個人差があります
初診時(1回目):
主訴:入眠困難で寝つきが悪い。夜中に2~3回目が覚め、その後再入眠が難しい。
自覚症状:手足のほてり、寝汗、動悸があり、心身ともに落ち着かない状態。
1週間後(2回目):
変化:入眠時間が30分ほど短縮。夜間の中途覚醒は1~2回に減少。
自覚症状:ほてりと寝汗はまだ残るが、動悸の頻度が減ったと報告。
3週間後(4回目):
変化:入眠時間はさらに短縮し、10~15分以内に眠れる日が増加。
中途覚醒はほぼ1回に減り、再入眠もスムーズになってきた。
自覚症状:寝汗が減り、夜間のほてりも軽減。動悸はほぼ気にならないレベルに。
生活指導:寝る前のスマホ使用を控える、軽いストレッチを推奨。
以後(5回目以降):
変化:ほぼ毎晩スムーズに眠れるようになり、中途覚醒もほとんどなく熟睡感が得られている。
自覚症状:ほてり・寝汗・動悸はほぼ消失。日中の集中力も向上。
施術頻度:改善を受けて週1回から2週間に1回へ減らし、経過観察へ。
心と体が調和すると、自然とぐっすり眠れるようになります。不眠、中途覚醒でお困りの方、一度、鍼灸を試してみてはいかがですか。
不眠でお悩みの方は、『note【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】不眠症と東洋医学』もお読みください。
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⚡️忙しい毎日が終わった途端、突然右耳が聞こえにくくなった...|40代女性
🌀 来院のきっかけ
「塾講師をしているんですが、夏期講習が終わって、やっとひと息ついた翌朝に、急に右耳が聞こえにくくなってしまって…。それに、高い耳鳴りもずっと続いていて不安で一杯でした」
最近は、連日続いた授業や保護者面談で多忙だったため、かなり疲れがたまっていました。
耳鼻科を受診すると「突発性難聴」と診断され、ステロイド治療を始めましたが、早く治したいと思い、鍼灸治療の併用を希望されて来院されました。
耳鼻咽喉科医には、鍼治療の許可を得ているとのことでした。
📋 主な訴え
・右耳の急な聞こえにくさ
・高い音の耳鳴り
・耳の詰まり感(耳閉感)
・顔のほてりや目の充血
・イライラしやすい
・夢をよく見る
・口の苦みや便秘気味
🔍 東洋医学の見立て
問診や舌・脈・その他身体全体の診察から、長期間の精神的・身体的な緊張状態の持続と、緊張が緩んだタイミングが関係していると考えました。
肝の気の流れが滞り、その滞った気が熱に変わり、耳の通り道を塞いでしまった状態です。
これは東洋医学で「肝鬱化火(かんうつかか)」と呼ばれています。
🪡 治療とアドバイス
・肝の気の巡りをよくして緊張を和らげる(疎肝解鬱)
・肝にこもった熱を冷ます(清肝瀉火)
・耳の経絡の流れを良くして聴覚機能を回復させる(疎通経絡)
を目的に、適切なツボ一穴を選び鍼を行いました。
🌱 経過 ※個人差があります
・初回:施術後の夜には耳の詰まり感が少し楽になったが戻ったように感じる。
・3回目:施術後、38度台の発熱がありましたが、翌日には自然に下がり、その後耳閉感がほぼなくなり、耳鳴りも軽くなりました。
・1か月後:耳鳴りは少し残るものの、聴力検査ではほぼ正常に、日常生活では困らないレベルまで改善しました。
このように、耳の聞こえや耳鳴りなどの不調は、耳そのものの問題だけでなく、身体全体のバランスの乱れが原因となっていることも多くあります。
東洋医学では、体と心のつながりを大切にし、全身の調和を整えることで、症状の根本からの改善を目指します。
耳の違和感を感じたら、ぜひ早めにご相談ください。身体全体のバランスを整える鍼灸治療が、お役に立てるかもしれません。
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