治療例集
😣 汗と尿のリズムが乱れてつらい…|50代前半女性
🌀 来院のきっかけ
「育児や仕事に一生懸命になっている時は汗はほとんど出ないのに、座ったりちょっと休んだりした瞬間にどっと汗が噴き出てきます。
汗が出ない涼しい季節になるとトイレが近くなりやすく、特に朝起きたときは尿意が我慢できないほどです。
顔や胸はのぼせる感じで、腹部から下半身にかけては冷える感じもあります。
これは更年期かもしれないと思いながら、育児や仕事の疲れも重なって、イライラや肩こりも強いです。」
🔍 東洋医学の見立て
「湿熱上逆+気機鬱滞」
普段の精神的な緊張が強いため、体内循環が停滞しやすく、上焦に熱がこもって汗の出方が不規則になりがち
汗で余分な水分を排出できないため、熱・水分はが胱経で代償的に排泄 される→ 頻尿、特に朝の強い尿意
「脾運化低下」
下半身に湿が停滞しやすく、水分代謝が悪い
「腎陰不足」
加齢による陰液不足 → ホットフラッシュの背景
顔色は紅く、舌は淡紅で苔薄、脈は滑または弦滑
腹部から下半身にかけての冷え、肩こり、上半身のほてりあり
🎯 治療方針
・上焦の熱・気滞を解消して、津液の循環を整える
・下焦の停滞を解消して水分代謝を改善させる
・脾胃の運化を助け、湿の停滞を減らす
・腎陰を補い、ホットフラッシュの背景を整える
・肝気を調え、ストレスによる気滞を解消させる
治療タイミングの身体の状態により、上記方針から治療の優先順位を決定して、最適なツボを選ぶ。
📈 治療経過 ※回数には個人差があります
4回目:休止時のどっと出る汗が少し落ち着く、昼間の汗の抑制も改善傾向
8回目:頻尿の回数が減り、朝の強い尿意がややコントロールできるようになる
12回目以降:上半身のほてり・肩こり・下半身の冷えも改善し、汗・尿の循環リズムが安定
その後:治療を継続することで、症状はゆらぎながらも改善傾向に向かっている
💡 ポイント解説
汗と尿は、体内の熱・水分を排泄する補完的経路です。
動作中は汗が出ず、停止するとどっと出る → 気滞・上焦熱
汗が減ると代償的に膀胱排泄 → 頻尿、特に朝起床時に顕著
鍼灸では、気機の通路を整えることで汗・尿の循環を自然に調整し、上半身のほてりや下半身の冷えも改善します。
#更年期 #ホットフラッシュ #多汗 #頻尿 #朝の尿意 #鍼灸ケア #体質改善 #東洋医学 #汗と尿の循環 #折脊 #督脈 #脾運化 #腎陰補 #肝気調整 #あやかざり